後で後悔することになる違反建築物

後で後悔することになる違反建築物

自分の家だからといって、好きなように建てることができるわけではなく、必ず法律に則て建築しなければなりません。建物の中には意図的かどうかは別にして、違法建築や既存不適格なものがあります。

住宅を建てたり、購入したりする時はよく法律を確認しないと、最悪の場合は建物の取り壊しや使用禁止、移転命令などの是正措置が採られることになります。さらに、建築中に違法の事実が判明した場合は工事停止命令が下されます。違反建築物だと、売却しようにも売却できなくなってしまいます。

●違法建築とは

後で後悔することになる違反建築物
違法建築というのは、建築基準法など建物を建てる際に守ることを義務付けられている法律や条令に反して建てられた建築物のことです。建物ができ上る前に法律に違反していることが分かったのが違法建築です。違法建築とされるものには主に以下があります。

1.容積率オーバー
容積率とは、土地に対してどれだけの延床面積を持つ建物を建てられるかという比率のことです。違法建築の中で多くなっているのが、一戸建て住宅の容積率オーバーです。例えば、屋根裏のスペース(高さ1.4?未満)を収納部屋として建築確認を取っておきながら、その後天井を高くして子供部屋に変える場合などが容積率オーバーに該当します。また、容積率オーバーでよく見られるのが、部屋を増築したことによるものです。

2.建蔽率
建蔽率とは、土地に対してどれだけの割合を占める建物を建てられるのかという比率のことです。日本は土地が狭いため、どうしても広い家を建てようとすると、建蔽率オーバーの違法な家ができてしまいます。

●既存不適格

建物を建てた当時は適法であったのに、法律や条例が改正されたことで違反建築になってしまったケースが既存不適格です。既存不適格の建物に関しては、従来通りの使用が認められています。ただし、建物を建て替えたり、増改築したりする場合は、現在の法律に適合した建物にしなければなりません。

1.容積率オーバー
容積率オーバーにおける既存不適格の顕著な例は、築年数の古いマンションです。マンションの場合は古い建物が多くあり、建築後に容積率の基準が厳しくなったことが原因になっています。この場合は、改築計画を立てたとしても、今と同じ規模のマンションは建てられません。

2.耐震性不足
近年の法改正でよく出るようになった既存不適格が、耐震性不足です。耐震性に関しては、建築基準法で一定の水準が義務付けられており、現在の「新耐震基準」では、震度6強~7程度の揺れでも倒壊しないことが目安となります。

3.接道義務
接道義務というのは、建築基準法で規定されている「建物の敷地は建築基準法上の道路に2m以上接していなければならない」というものです。建築基準法上の道路とは幅員4m以上の道路のことです。幅員4m未満の道路に敷地がある場合は、将来セットバックして(敷地や住宅を後ろへずらす)、現行の建築基準法に対応することが必要になります。

●物件の確認が重要

マイホームは一生に一度買えるかどうかという買い物であり、何十年も住み続けるものです。その住宅が違法建築や既存不適格な建物になると、精神的にゆっくり暮らせなくなります。住宅を建てたり、購入したりする場合は細心の注意を払うことが肝心です。