不動産投資は安定収益を得られることが魅力です。しかし、最低でも数百万円の資金が必要なうえ、もし失敗した時は膨大な損失をも抱えるリスクがあります。投資の初心者にとっては中々手が出せないレベルでしょう。
もし少ない資金で不動産投資をしたい、リスクを抑えたいと思った時は、不動産投資信託を検討してはいかがでしょうか?一般的な不動産投資よりもリスクが低く、かつ少額の資金で始められます。
不動産投資信託とは?
不動産投資信託はリートとも呼ばれている投資商品です。主に不動産と投資信託をかけ合わせた商品で、投資家から集めた資金で運用会社が不動産を購入・運用します。賃料などの収益の大部分は投資家に分配されるため、高い利回りを実現しています。
また、一般的な不動産投資信託は株式市場で売買できるうえ、価格もリアルタイムに変化します。このため分配金だけでなく、売却益も得られます。
なお、投資家は直接不動産を保有せず、間接的に持つことになります。一つの物件を多数の投資家で保有するイメージに近いでしょう。しかし、投資家が直接物件の管理や運営に携わることはありません。これらは全て運用会社が行います。
利回りは年率3~5%が多い
不動産投資信託は利回りが高く、ほとんどのファンドは年率換算で3〜5%を実現しています。一部は5%以上の利回りになっており、毎年高配当が続いているファンドもあります。
ただし、実際の利回りは経済や不動産の市況、ファンドの運用状況によって変わります。購入時の価格も影響しますので、購入前に利回りをチェックしておきましょう。
不動産投資信託のメリット
不動産投資信託は投資の初心者向きの商品です。もちろん他にも投資商品は多数ありますが、以下で挙げるメリットを考慮すると、初めて投資をする人や、不動産投資に興味がある人には最適な選択肢になるでしょう。
他の投資商品よりも利回りが高い
上記で説明したように、不動産投資信託は利回りの高さが大きな魅力となっています。実は他の投資商品と比べても利回りは高めで、実際に不動産投資する場合と同等の資金効率があります。
例えば、日本の個人向け国債は利回りが0.05%程度、株の配当金も年率1〜2%、高配当をうたう銘柄でも4%程度しかありません。
少額の資金で不動産投資を始められる
不動産投資を始める場合、ワンルームや一戸建てでも数百万円、一棟となると数千万〜数億円の資金が必要です。ローンを利用すれば多少資金面に余裕ができますが、それでも多額の資金が必要なことに変わりありません。
ところが、不動産投資信託なら資金が少額でも始められます。あくまで一例ですが、一口につき1万円台で買える場合もある一方、最大でも10万円台で購入できます。通常の不動産投資と比べ、初期投資を大幅に抑えられることが分かります。
簡単に分散投資が可能
不動産投資信託の運用会社は多数の物件を保有しており、ファンドによってはホテルからオフィスまで、数十の物件を持っています。このため、不動産投資信託を一つ保有していれば、簡単に分散投資できる仕組みになっています。
物件を分散させると、仮に一つの物件の収益がゼロになっても他でカバーできます。これが自分で不動産投資をする場合と比べ、低リスクで済む理由でもあります。
株式市場でいつでも売買できる
株式市場で好きな時に売買できる点もメリットです。不動産投資信託は東証に上場しているファンドが多く、一般的な上場企業の株と同じように売買できます。価格が安い時に購入しておけば、5%以上の高利回りを実現できるでしょう。
現物の不動産より換金しやすい
現物の不動産を売却すると、手続きが全て完了するまでに数ヶ月はかかります。買い手が見つからないと、1年以上の時間も覚悟しなくてはいけません。そのため、流動性の低さがネックといえます。
しかし、不動産投資信託ならハードルは下がります。株式市場で売買できますので、現物よりも流動性が高く、ほぼ好きなタイミングで換金できます。市場が開いている間は自由に売買可能なため、すぐ現金が必要な時にも備えられます。
通常の不動産投資より損失を抑えられる
一般的な不動産投資の場合、数百万の損失を抱えるケースも珍しくありません。確定申告で損益通算できるとはいえ、生活へのダメージは計り知れないでしょう。
不動産投資信託は一口あたり数万円という手頃な資金で開始できます。信用取引には注意が必要ですが、現物取引なら損失も投資資金の範囲内で済みます。保有口数が多くなると損失も増えるものの、通常の不動産投資よりもリスクは軽減されます。
投資の初心者こそ不動産投資信託がおすすめ
投資の対象は多数ありますが、資金が限られる場合や、高利回りの投資商品を探しているなら、不動産投資信託を検討してみましょう。いつでも売買できる点などメリットも多いため、特に投資の初心者におすすめです。